たびより日常(仮)

ひとりで毎日ご機嫌に過ごす方法

【映画紹介】自分の足でひたすら歩く、旅ってこういうイメージ。ネタバレ感想アリ。

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サンティアゴ・デ・コンポステーラをテーマにした映画をご紹介。

見るときっと、歩きたくなります。旅に出たくなります。

 

内容

 

映画情報

邦題:星の旅人たち

原題:The Way

監督:エミリオ・エステヴェス

脚本:エミリオ・エステヴェス

製作:アメリカ・スペイン合作 (2010年)

ジャンル:ドラマ、コメディー、アドベンチャー (128分)

 

あらすじ

妻の死後、疎遠になっていた息子。

ある日スペイン語で現地警察から連絡が来ます。

”息子さんがお亡くなりになりました”、と。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の初日、

嵐に巻き込まれて亡くなったのでした。

父は、仕事をキャンセルし、息子の装備を使って巡礼の旅に出ます。

歩くのは死んだ息子のためなのか、自分のためなのか。

道の途中、様々な背景を持った仲間たちとも出会います。

旅の行く末はいかに?

 

おすすめの人

・悲しいことがあった人、なんだか辛い人

・どこか遠くへ行きたい気分の時

・スペインの風景を見たい時

・巡礼に興味がある人

 

<感想>ネタバレ含みます。

主人公は、かたくなに巡礼の理由を話しません。

 理由を話すということは、 “息子が亡くなってしまった”ということを、

どういう表現にするにせよ言葉にするわけです。

受け入れがたい背景があるときに、他人にそれを説明したり、

言葉にすることほど、 酷なものはないでしょう。

言葉にするとは、確定したり、認めることのひとつだからだと思います。

最後の案内所にてスタンプを押してもらう時、 巡礼の理由を問われます。

ここでも、なかなか答えることができません。

上手く言えない代わりに、巡礼証明書の名前を 自分ではなく、

死んだ息子の名前に書き直してもらうシーンがあるのですが、

私はここの解釈がよくわかりません。

やはり巡礼が終わってもなお、死を受け入れられていない、ということなのかしら。

受け入れたけれども、亡くなってもなお息子は自分と共にある、

という意味なのかしら。

この二つのどちらとして、解釈するのが正しいのかしらと、考えてしまうのです。

“道”の途中で知り合った仲間たちは、それぞれ巡礼の理由を答えていきます。

禁煙のため、瘦せるため、物語のラストを見つけるため。

でも、みんな理由は達成できていない。

お腹のお肉は落ちていないし、禁煙はできていない。

物語の最後の決め台詞も、まだきっと見つかっていない。

巡礼を達成したからと言って、劇的な変化が起こるわけではないのです。

でもみんな、そんなことは分かっていた。

ちょっと希望はあったかもしれなくて、ちょっと落胆したもしれないけれど。

だからこそ、最後はあっさりと、一人ずつそれぞれの生活へ戻っていきます。

劇的な変化が起こるわけでも、願いが叶うわけでもないけれど、

きっと無意味ではない。

どこが無意味じゃないの?って聞かれたら、答えられないけれど。

(まあ、そういう質問をする人はちょっと苦手だから、あえて必死に答えをまとめるつもりは 今のところないんですけどもね。)

 

好きな映画のひとつです。 学生の時にTSUTAYAで借りて、何回か見直したなぁ。

とても憧れたんだっけ。

最近、アマプラ熱が再燃してあさっていたら、発見。

今回で多分、5回かそれ以上見ています。

昔見た時は、まだ学生で。 明るい将来を信じて疑わなかったから、

冒険映画みたいに見ていたけれど。

今見返してみると、ちょっと感想も変わってきます。

いい年の人になって、色んな場面場面で、諦めが出てきているからこそ、

単なる冒険映画ではなくなったように感じます。

どうしようもないことも、やるせないことも、綺麗さっぱり無くなってくれなくて。

どこまでも、続いていくんだなって。

でも、どこまでも続いていくけれど、悪いことではないのかもしれないな、って。

道の映画です。

自分の足でひたすら歩く、旅ってこういうイメージ。

 

個人的覚書き

・終盤、教会の礼拝で大きな香炉が、ぐわんぐわん、揺らされるシーンがあります。

見てると、なんかドキドキしてしまう。なんでしょう…

ブランコでめっちゃ高くまで漕ぐ子を見ているような、感覚。

もし、紐とか鎖とか切れたら、誰か死んじゃうじゃん、って要らぬ心配をしてしまう。 ぞわぞわ、ひゅんひゅん。はわわわ。

 

・一番好きなのは、オランダ人のヨスト。 めっちゃ人が良いんですよね。

なんでこんなに穏やかなんだろう。 オランダでは普通って言ってるけど、

薬ってそんなに手軽なもんなんですかね。

めっちゃ食べるし、気づかいだし、睡眠薬や、薬を持っている。

メンバーの誰よりも、闇が深いんじゃないか?って、想像してしまいます。

感想終わり。