たびより日常(仮)

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【本の紹介】台湾漫遊鉄道のふたり 知らない料理の名前が出てくる出てくる

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積読本の塔が、なかなかまずいことになってきたので、

最近少しずつ読んでいるところです。

今回読み終えたのはこちら。

『台湾漫遊鉄道のふたり』 です。

新聞の広告欄に載っていて、気になって購入したのが今年の頭。

 

書誌情報

タイトル:台湾漫遊鉄道のふたり

著者:楊双子

訳:三浦裕子

発行:中央公論新社、2024年2月25日第4刷

定価:2000+税

 

内容

昭和十三年。食いしん坊の作家青山千鶴子は、お見合いから逃げている。

台湾総督府からの招待状を手にした千鶴子は、台湾へ。

現地で出会った台湾人通訳の王千鶴と共に、美食巡りの旅をする。

食べて食べて癒される。二人の心の傷とは?

 

こんな人におすすめ

・台湾の食べ物について知りたい人

・食べることが好きな人

 

好きな文章

p100

面白い見聞に出会った時や、心に思索が湧いた時など、(略)

ノートが手元になければ、日めくりや包装紙の裏、古新聞など手当たり次第に書きつける。

 

p283

この満足感は、満腹であることを言っているのではない。それは、美味しさと、嬉しさが織りなす感動だった。私の腹の深くに隠れ住むちっちゃな妖怪は、人から大事に扱われたことで、ついに執着から解放され、自由と歓びにひたっていた。

私のお腹の妖怪の正体は、荒れ果てた山の庵にひとりぼっちで棄て置かれた、小さな千鶴子だったのだ。私が今まで感じてきた飢えは、愛され、尊重されることへの渇望であった。

 

感想

とにかく美味しそう。

見たことも聞いたこともない台湾の食べ物が沢山出てくる出てくる。

描写をもとに味を想像するのが楽しいです。

タイムスリップ&異国を旅行している気分になれます。

 

二人の女性のやり取りが穏やかに進んでいくのですが、

後半になるにつれ二人の間に、ずれが生じていきます。

この小説においては、その理由は時代背景的なものが大きかったけれど。

時代や国が同じだとしても、そうしたズレは起こるんですよね。

人との距離感だとかについても考えさせられる小説でした。

百合小説、ってあったけど、そんなにかしら?

普段小説を読みなれていないのもあるのかしら。

 

気になる方はぜひ。↓